お知らせ
野口設計分析による「園運営トレンドレポート2026」

はじめに
本レポートは、保育博で実施したアンケート結果をもとに、
現在、多くの園関係者がどのような点に悩みを感じているのかを
「順位」と「中身」の両面から整理したものです。
数字はあくまで傾向を示すものであり、
正解を示すものではありません。
それぞれの園が、自園の現在地を考えるための
参考資料としてご覧ください。
Q.現在の園運営で課題に感じていることはありますか?

第1位|保育士の採用・教育・定着(68%)
最も多くの園が課題として挙げたのは、
「保育士の採用・教育・定着」でした。

中身をひも解くと…
・人材が集まらない:63.2%
・採用しても定着しない:31.6%
・環境改善要望が多い:21.1%
≪野口’s EYE≫
「採用できない」だけでなく「続かない」ことへの悩みが重なっていると考えられます。また、条件面だけでは説明しきれない、職場環境・日常の在り方が背景にあると言えます。これらは以下の回答にもある「園のPRや見せ方」とも密接に関りがあると考えます。
弊社のこれまでの経験からすると、採用の問題は、入口の話ではなく、園の日常が“外からどう見えているか”の結果として表に出てきている可能性があります。
第2位|園舎・施設(60%)
次に多かったのが、園舎・施設に関する悩みです。

中身をひも解くと…
・老朽化(雨漏り、耐震、アスベスト等)・安全面への不安:61.1%
・職員の職場環境が不十分(休憩室、シャワー等):38.9%
・補助金・資金計画への不安:38.9%
≪野口’s EYE≫
弊社にご相談いただく際も同じような状況が多いのですが、単なる「建物が古い/新しい」ではなく、安全性・働く環境・お金の課題がほぼセットになっています。また、園舎は保育の質と職員の負担、両方に影響する前提条件となっていることが多いです。
園舎の問題は、単独では語られにくい一方で、採用や定着といった「人の課題」と常にセットで影響し合っています。
第3位|園児が減っている(24%)
約4分の1の園が、
園児数の減少を課題として挙げています。

中身をひも解くと…
・見学希望者が集まらない:33.3%
・見学には集まるが入園に至らない:22.2%
・0歳児が少ない/人口減少/地域の子どもが少ない:各11.1%
≪野口’s EYE≫
人口減少などの構造的要因と見学・入園導線などの見せ方の問題が混在していました。また、「園自体に魅力がない」というよりも、届き方の課題が示唆される可能性が高いです。
第4位|園のPRや見せ方(24%)
同率で挙がったのが、
園のPRや見せ方に関する悩みです。

中身をひも解くと…
・SNSで悩んでいる:20%
・魅力を伝えきれていない:20%
・理念が浸透していない:12%
・HPが古い/パンフレットが古い:少数
≪野口’s EYE≫
課題は存在するけれど、まだ言語化・自覚しきれていない園が多いという印象を受けます。また、PRは「手段」の話になりやすく、何を伝えるかが整理されていない可能性も。そしてそもそもですが、回答が分散していること自体が、「何が問題なのか、まだ言葉になっていない」状態を示しているとも言えます。
第5位|保護者対応(8%)
割合としては少数ですが、
保護者対応を課題とする声もあります。

中身をひも解くと…
・教育・保育方針に関する要望が多い:37.5%
・園舎・環境面への要望が多い:25%
≪野口’s EYE≫
クレームというより、方針理解・共有に関わるズレを生んでいる可能性が考えられます。その要因として、園の考えが日常の中で十分に伝わっていない可能性が高いです。
≪野口’s EYE まとめ≫
ランキング全体を見ると、
園関係者の悩みは
・人(採用・定着)
・環境(園舎・働く場)
・伝え方(PR・方針共有)
といった、園の「日常の在り方」そのものに集中していました。
これらはいずれも、個別の対策ではなく、園の日常の在り方そのものと深く結びついています。
まとめに代えて
本レポートでは、
アンケート結果をもとに、
現在、多くの園関係者がどのような点に悩みを感じているのかを
「順位」と「中身」の両面から整理してきました。
浮かび上がってきたのは、
採用、施設、園児募集、PR、保護者対応といった
一見すると異なる課題の数々が、
実はすべて園の日常の在り方に結びついている、という事実です。
これらの悩みは、
何か一つの対策や制度を導入すれば
すぐに解消されるものではありません。
また、「どの園でも同じように当てはまる正解」が
存在するものでもありません。
大切なのは、
自園では今、
どの悩みが強く表れているのか。
それは、園の中でどのような日常や関係性から
生まれているのか。
そして、
自分たちの園が
どのような価値観を大切にし、
どのような姿を目指しているのかを、
あらためて問い直すことなのかもしれません。
本レポートを通して、
数字の裏側にある日常に目を向けることが、
これからの園づくりを考える出発点になるはずです。
園ごとに異なる「現在地」を見つめ直し、
次の一歩を考えるための
静かな材料となれば幸いです。
最後に、アンケートにご協力くださった園関係者の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
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アンケート調査概要
・調査方法:2025年保育博 会場内にて来場者アンケートを実施
・調査対象:保育施設関係者(園長・職員 等)
・回答数:24名
・調査期間:2025年11月20日(木)~21日(金)
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