保育園・幼稚園・こども園、園舎づくりの強い味方「WAM（ワム）」とは？【魔法の園舎づくりLabo】

保育園や幼稚園の園舎を新築・改築する際、最も重要なのが「資金計画」です。どの金融機関から融資を受け、どのように返済計画を立てるかによって、園運営の安定性が大きく左右されます。

その資金調達の選択肢の一つとして、保育施設にとって特に心強い存在が WAM（独立行政法人 福祉医療機構） です。

WAMってなに？

WAM（ワム）は、福祉と医療の分野を支えるために2003年に設立された、国の金融機関です。

保育園・幼稚園・こども園をはじめ、病院や高齢者施設、障害者施設など幅広い施設整備を資金面からサポートしています。

主な役割

・長期・低利の融資制度による施設整備支援
・経営診断や指導による安定運営サポート
・経営データベースの整備と提供
・職員のための退職手当共済制度の運営

※コロナ禍では「新型コロナ対応資金」として、多くの医療・福祉施設へ緊急融資を実施し、地域インフラを支えた実績もあります。

活用のメリット

・自治体の補助金との併用が可能
・一般銀行よりも柔軟な条件と長期返済が可能
・融資後も、経営改善や相談支援が受けられる

資金計画で押さえるべきポイント

・無理のない返済スケジュールかどうか
・自己資金とのバランス
・補助金との併用や制約への理解
・契約・着工タイミングに注意（WAMは内示が出るまで契約不可の場合あり）

専門家の伴走が安心につながる理由

WAMを含む融資制度の活用には、スケジュールや制度要件の理解が不可欠です。

野口設計では、これまで多数の園舎設計に携わる中で、資金調達から計画・手続き、補助金申請との連動まで、法人様の状況に応じたサポートを行ってきました。

「園舎を建てる＝建築設計」だけではありません。法人の未来を見据えた資金計画と運営設計の両立が、安定した園づくりのカギです。

次回予告

次回は、「園舎づくりで失敗しない建築設計事務所の選び方について」ご紹介します。

Photo：だいぜんじ幼稚園