お知らせ

【受賞】ドイツの「iF DESIGN AWARD 2023」を受賞しました

 弊社設計の「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」が、ドイツのデザインアワード「iF DESIGN AWARD 2023」を受賞しました。

 この経験を活かし、今後もお施主様の想いと課題解決を設計の力で叶えていける事務所として精進して参ります。

 引き続き、ご指導ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 「(株)野口直樹建築設計事務所」(福岡市中央区渡辺通)は、国際的に権威のある「iF DESIGN AWARD 2023」を受賞しました。今回受賞いたしました「こどもの森保育園 こもれびテラス的場(株式会社blan.co)」「Architecture(建築)」分野での受賞となります。

 ハノーバー(独)を本拠地とするiF International Forum Designは、世界で最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体で、毎年優れたデザインを選出し「iF DESIGN AWARD」を授与しています。

 今回、133名のデザイン専門家が56 か国/地域から集まった11,000件の応募デザインを厳正に審査され、 弊社の「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」5つの評価基準をバランスよくクリア。今回の受賞となりました。

「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」についての受賞の詳細は、下記をご参照ください。

https://ifdesign.com/en/winner-ranking/project/kodomonomory-nursery-comorebi-terrace-matoba/564229

▶ iF DESIGN AWARDについて

 iF DESIGN AWARDは、1954年以来、国際的に権威のあるデザイン賞のひとつとして、またiFロゴは優れたデザインの証として広く認知されています。現在では、世界三大デザイン賞のひとつとも言われています。 この賞は、「プロダクト」「パッケージ」「コミュニケーション」「サービスデザイン」「建築」「インテリア・内装」「プロフェッショナルコンセプト」、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」「UI(ユーザーインターフェース)」の9つの分野で構成されています。すべての受賞デザインは、www.ifdesign.com で公開されています。

▶受賞作について

 「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」は、福岡市南区的場にて2021年に開設した認可保育園です。

 本園は、福岡市のベッドタウンとして住宅地が広がる中、敷地の西側には潤沢な緑地が広がり、環境に恵まれた敷地に建ちます。園舎内の随所に、福岡の伝統工芸である博多織や博多曲物を踏襲したデザインを施すことで、地域の顔となり、子どもたちが地域に見守られながらのびのびと成長できる保育園となることを目指しました。 以下に、本賞の評価基準に即した施設の特徴をご紹介します。

【評価基準①:課題解決ポイント】

園内で自由に遊ぶ園児たち

 解決すべき課題は「日本全国で問題となっている待機児童」だった。都市部に地域密着型の保育園を建設することで、次世代に続く郷土愛を育める環境を生み出す必要性を実感していた。その理由は、建築家である野口自身の経験による。竣工後、「的場」という地域への保護者・園児の興味・関心が増していることは、自分たちの生きる場所への深い感謝につながっていると感じている。

【評価基準②:形や外観に関するポイント】

エントランス

 敷地周辺にある潤沢な緑地と施設を緩やかに繋ぐことで緑地を借景かつ園庭として活用できると考えた。緑地や園庭で過ごす子どもたちの姿は地域に活力を与えている。また、外観に「的場」という地名の由来である伝統儀式の「流鏑馬」からもたらされる「流れる矢」の様子をルーバーに施した。このルーバーは、外部からの視線を遮りながらも、中からは外が見える「錯視」の技法を用いた装置として機能している。

【評価基準③:機能や役割としてのポイント】

ルーバーからのこもれび

 園庭との間を大開口で繋いだ「開放的な保育室」や、ルーバーの間を縫って光の降り注ぐ「木漏れ日の保育室」。保育室から覗く事のできる「見える調理室」や、調光調色可能な最新の照明を用いた「照明計画」、暗くて汚いという印象を一切排除した自然光を取り込み風の通り抜ける「明るいトイレ」を設計。クラスごとの垣根を減らし、風通しのよい空間となる事を目指した。子どもたちが施設内のどこにいても、自然の移ろいを感じながら活動できることを考慮している。

【評価基準④:他建築物との明確な違い】

博多の「曲げわっぱ」を再利用したサイン

 保育園のハード面となる建物に、日本ならではの文化である畳スペースや、博多の伝統文化である「博多織」「曲げわっぱ」等のデザインを取り入れることで、子どもたちの伝統文化への興味を引き出している。ハード面はソフト面へも影響を及ぼし、文化を継承する保育活動を誘発している。実際に、同園では保育の一環として「博多祇園山笠」などの「博多の文化」に触れる活動を行っており、子どもたちの伝統文化への興味を引き出し、伝統文化の継承が希薄になっていることへの問題解決に繋げている

【評価基準⑤:本施設が社会にもたらすインパクト】

目の前の河川敷が借景となり、プライバシーを守りながらも自然を感じられる

 従来の子育て環境の課題を洗い出し、「郷土愛を育む」「待機児童を減らす」「自然に触れることのできる安心・安全な環境を作る」ことを目指した結果、共働きで子育てに十分な時間を取ることのできない保護者も、積極的に子育てに取り組めるような仕組みを創出することができている。また、多くの園児を抱える保育士の働くモチベーションも向上し、円滑な園の運営に寄与している。

▶▶「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」を運営する株式会社 blan.co(ブランコ)について

株式会社blan.coホームページ

 本園は、株式会社blan.co(ブランコ)が運営する認可保育園として、既に開設から3年目を迎え、近隣の待機児童問題緩和に寄与しています。

 そして、この株式会社blan.coは、株式会社野口直樹建築設計事務所のグループ会社として2014年に誕生しました。  今回は自社園での受賞となりましたが、その目的は、株式会社野口直樹建築設計事務所が建築を通して目指す社会にあります。ぜひ次の項目の「(株)野口直樹建築設計事務所について」をご一読ください。

https://blanco-kodomonomori.com/

▶(株)野口直樹建築設計事務所について

 2012年に創立した(株)野口直樹建築設計事務所は、一級建築士・野口直樹を代表とする建築設計事務所です。

設計をプロデュースした「ibb Bollm Tenjin」にて(代表・野口は写真右)

 近年、保育園や幼稚園などの園舎設計に特に注力して活動して参りました。その業務範囲は、建築設計・監理・コンサルタントを主とし、社会福祉法人設立支援公募による民間移譲や新設園設立支援、土地探しから資金計画策定、各種補助金の申請、設計監理及び工事業者選定のための入札支援など園舎完成に至るまでの全てを請け負う体制を作って参りました。

ギリギリまで粘り、最善策を編み出すディスカッションを日々繰り返しています

 多くのお施主様とのコミュニケーションを通じて、園舎設計の奥の深さを知っていき、「ただ建ててお引渡しして終わるのではなく、建築というアプローチから園児教育に貢献したい」と考えるようになり、グループ会社(株)blan.co(ブランコ)を設立。自社で運営を担うことで、より一層、お施主様の気持ちや園舎設計における見落としてはいけない大切な設計ポイントなどを日々知見として集積していくこととしました。

 「こどもの森保育園 こもれびテラス的場」は、そうした園舎設計のノウハウと、園児教育への想いをゼロから詰め込んだ施設になります。自社園だからこそできる実験や検証など、工数よりも園児と働くスタッフ、そして地域との親和性を主軸にした設計に注力いたしました。

▶代表・野口のコメント

(株)野口直樹建築設計事務所 代表取締役 野口 直樹

 この度は、大変栄誉ある賞をいただき、改めて関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。 今回の受賞を受け、弊社が目指す「園舎設計を通して次世代の教育に貢献し、園の教育理念を十二分に引き出す建築」により一層邁進したいと考えています。地域に開いた活動やアートとの出合いなど、お施主様の思い描く園舎を一緒に描かせていただく本事業の活力として、本賞を最大限励みにさせていただく所存です。

園舎づくりの事なら
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