コラム

保育園の天井高はどのくらい?基準と園舎設計で考えたいポイント

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「保育園の天井高は、何m必要?」
「天井は高い方が、子どもたちものびのび過ごせる?」

園舎を考えるとき、広さや間取りと比べると意外と見落としがちな「天井の高さ」。

保育室など、建築基準法上の「居室」にあたる空間は、建築基準法施行令第21条により、天井高2.1m以上が必要です。

一室の中で天井の高さが異なる場合は、法令上、その平均天井高で判断します。

ただし、2.1mはあくまで居室としての法律上の最低基準。

実際の園舎設計では、子どもたちがその場所でどう過ごすのかを考えながら、高さや形を決めていきます。


実際の保育室はどのくらい?

私たちが設計する園舎では、基本的な保育室の天井高を2.4〜2.6m程度に設定することが多くあります。

建物の構造や設備、既存建物の条件などによって変わりますが、日常的に子どもたちが過ごす場所として、空間の広がりや落ち着きとのバランスを考えながら設定しています。


遊戯室は高くすることも

一方、遊戯室は、運動や遊びだけでなく、発表会や行事など多目的に使われる場所です。

そのため、天井を張らず、梁や屋根の構造を見せることで高さを確保したり、上階のない遊戯室では、屋根形状を活かして6〜7m程度の大空間とすることもあります。

身体を大きく動かしたり、大勢で集まったりする場所では、高さそのものが空間の魅力になります。


子どもには「低い場所」も楽しい

逆に、保育室の中にあえて天井の低い場所をつくることもあります。

例えば、子どもが潜り込める「あなぐら」や秘密基地のような場所。

大人にとっては少し狭く感じる空間でも、子どもにとっては落ち着いたり、友達と隠れたりできる魅力的な居場所になります。

2.1mを下回るような低い空間を設ける場合には、自治体とも協議しながら、認可上必要となる保育室面積には算入せず、必要な保育室面積を別に確保したうえで、プラスアルファの「子どものための居場所」として計画することがあります。


天井は高い方がいい?

必ずしも、高ければ高いほど良いわけではありません。

高い場所では思いきり身体を動かす。

少し低い場所では落ち着いて絵本を読む。

小さな場所に潜り込んで、自分だけの居場所を見つける。

高さに変化をつけることで、子どもたちの過ごし方にも変化が生まれます。


「何m?」より「どう過ごしてほしい?」

法律上の基準を守ることは大前提。

そのうえで大切なのは、
・思いきり身体を動かしてほしい
・落ち着いて絵本を読んでほしい
・友達と秘密基地のような場所を楽しんでほしい
・自然の光や空間の広がりを感じてほしい
など、子どもたちの過ごし方から逆算して天井を考えること。

天井の高さも、形も、素材も、子どもたちの毎日の体験をつくる園舎設計の一部です。

※法令・設計条件や認可上の取扱いは、建物や自治体によって異なります。2026年8月時点の法令をもとにしています。実際の計画時には最新の関係法令・自治体基準をご確認ください。


執筆

野口直樹建築設計事務所

幼稚園・保育園・認定こども園の園舎設計を専門とする一級建築士事務所。「魔法の園舎」をコンセプトに、子どもたちの体験から空間を考える園舎づくりを行っています。

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