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言葉の海

つい先日DVD化された映画で『舟を編む』というのがあります。三浦しをんさんの原作が面白く、先日DVDを観ました。この作品は、出版社に勤務する「人と会話するのが極端に苦手」な主人公が、「大渡海」という国語辞典を作成する部署に配属され、先輩や同僚や恋人とのふれあいのなかで、「言葉」の持つ力、すなわち「だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力」に目覚めていく物語です。
「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」。だから私たちは「海を渡るにふさわしい舟を編む」のだと、『大渡海』の編集者である松本先生は語ります。

理解できる「言葉」が増えれば、「世界」が拡がっていきます。語り合える友が増えれば、人間関係が豊かになり、心が豊かになっていきます。結局、「学ぶ」ということは、言葉を増やし、世界を拡げ、心を豊かにしていくことなのでしょう。そして私たちは、灯台の灯で暗い海を照らし、闇のなかで彷徨っている舟や溺れかかっている子どもたちを発見し、救助することができなければなりません。

逆をいえば、言葉を知らないことや語り合える仲間たちが固定され増加しなくなると、『ソコマデ(その程度)』となります。それはそれで構いませんが、その自分の物差しで周りに迷惑をかけることはいけませんね(*_*;

私たち成熟期世代は、自分より長い物差しを持った、粋な人間(1人ではなく200人くらい)と多く接することが必要かもしれませんね。


いくら学び、知識を身につけても人間は全知全能になることはできないが、学習している人間と無知な人間を比べると、天地の開きがある。
【プラトン】

なぜ学ぶのか?それは、一度っきりの人生、自己実現(かなりたい人物になる。買いたい物を買う。やりやいことをやる。行きたいところに行く)のためですね。

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